額装のこと


個展後は「無能の人」のごとく、床にのびたり両膝を手で抱えて座る時間が多いとは言え、やることはやりました。額装です。

額装する前の、絵が空間へ四方八方気配を滲ませてゆくようすもいいし、
額装した後の、絵が内へ深くどこまでも気配をひそめてゆくようすもいい。
額を仕上げると絵自身が進路を変えて絵の中へ自分で入ってゆくようすが見える。

空間に突如あらわれる四角い世界に枠をつけると、ひとりきりで噛みしめられる耽溺世界への入口がよりいっそう迫ってくる。

床にのびて頬杖つきながら、あちらからこちらからためつすがめつ、絵と呼吸のあう額を仕上げてゆく。

個展後の静かな時間。
ごろごろゆっくりじっくり仕事する。

2017.07.16